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在宅ケアのための医療知識

末期がんの疼痛コントロール

がんの苦痛を緩和し、QOLを向上させる

がんとは生体に生じる悪性の腫瘍疾患のことであり、異常をきたした細胞(がん細胞)が増殖し、血流やリンパ液を通ってほかの組織も破壊する。このときに起こる痛み(疼痛)はがんの進行とともに発生頻度が増し、不眠や食欲低下の原因となり、さらには精神的不安定にも繋がりかねない。

患者の痛みを取り除き、より良い生活を送るためには、疼痛のコントロールが重要となる。疼痛コントロールにあたっては、WHO(世界保健機構)の「3段階除痛ラダー」と「鎮痛剤使用の5原則」を指標とする。

症状

●体性痛:皮膚や骨、関節、筋肉、結合組織といった体性組織への、切る、刺すなどの機械的刺激が原因で発生する痛みなど
●内臓痛:食道、胃、小腸、大腸などの管腔臓器の炎症や閉塞、肝臓や腎臓、膵臓などの炎症や腫瘍による圧迫、臓器被膜の急激な伸展が原因で発生する痛みなど
●神経障害性疼痛…末梢・中枢神経の直接的損傷に伴って発生する痛み。①刺激に依存しない自発痛 ②刺激に誘発される痛み ③異常感覚の3種がある

治療法

●3段階除痛ラダー
第1段階 非オピオイド鎮痛剤(アスピリンなど)
第2段階 第1+弱オピオイド鎮痛剤(コデインなど)
第3段階 第1+強オピオイド鎮痛剤(モルヒネなど)
第1段階で痛みがおさまらないまたは新たな痛みが発現したら第2段階へ。次は第3段階へ
●鎮痛剤使用の5原則
①経口で(簡単な投薬方法)
②時間通り規則的に
③除痛ラダーにそって効力の順に
④その人にあった量を投与
⑤①~④に対応したうえで細かい配慮

アセスメントのポイント

  • ●介護力、介護環境はどの程度あるか
  • ●今後の痛みのコントロール方法についての本人の理解はどうか
  • ●延命治療について本人の意思

亀じろう

ケアプラン作成のツボ

今後の見通しと支援

がん末期では全身の機能低下が進み、麻薬の使用により思考力が低下したり、幻覚が現れることもあります。毎日を苦痛なく意義深く過ごせるよう、QOLの維持向上に配慮した援助を行うことが大切です。

日常生活の留意点
  • ●本人の感じる痛みは、身体的・精神的・社会的・霊的な痛み(トータルペイン)として捉え、共感的な態度で接します
  • ●疼痛緩和のための薬は、一定の目標を定めて時間を定めて規則正しく投与できるようにします
  • ●本人のやりたいことを制限せず、本人と家族が穏やかな気持ちで安心感をもって毎日を過ごせるように配慮します
  • ●状態に応じて、食べやすい調理や食形態の工夫をします
医療連携のポイント
  • ●定期的な往診
  • ●24時間対応の在宅療養支援診療所との連携
  • ●急変時の対応
  • ●死亡診断書の発行
副作用・治療の影響

疼痛緩和のための麻薬には、便秘、吐き気、嘔吐の副作用がある

使える制度

  • 医療保険の訪問看護適用

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