膵臓がん
発見が難しく進行の速いがん 糖尿病の人は要注意
膵臓は胃の後ろにあり、食物の消化を助ける膵液や、インスリンやグルカゴンなどの血糖値の調節に必要なホルモンを産生している臓器である。膵臓にできるがんの90%以上は、膵管の細胞に発生する膵管がん。
体幹の奥にあるため発見しづらいうえに、早期では症状がないことから早期発見が難しく、進行の速いがんのため、発見されたときには進行したがん(末期がん)の場合が多く、予後は極めて不良である。喫煙、肥満、糖尿病、慢性膵炎などが危険因子とされる。
症状
【初期】自覚症状がほとんどない
【進行】●悪心 ●腹痛 ●胃や背中の痛み ●体重減少 ●黄疸 ●白色便 ●皮膚掻痒症
治療法
手術
放射線治療
化学療法:抗がん剤治療
緩和ケア:痛みなどの不快な症状を和らげる
高齢者には注意が必要です!
痛みがあっても、場所が特定しづらく、「腰が痛いだけ」と見すごしてしまうことも考えられる
アセスメントのポイント
- ●食事の後に不快感はあるか
- ●適切な食事内容か
- ●糖尿病の合併症や血糖コントロールが必要か
今後の見通しと支援
膵臓がんは発見しにくいがんで、再発の可能性も高いです。手術や治療の影響による消化不良、膵臓切除に伴うインスリン分泌不全、糖尿病の発症などへの対応が必要になります。
日常生活の留意点
- ●消化不良で吐き気、嘔吐、むせる、下痢などの症状がでるため、栄養士とも相談し、栄養バランスが良く消化の良いものを摂りましょう
- ●1回の食事量を少なめにし、複数回に分けると良いでしょう
- ●手術で膵臓をすべて切除した場合や慢性膵炎を合併している場合は、インスリン自己注射により血糖コントロールが必要になります。方法については、本人または家族が事前に医療職の指導を受ける必要があります
医療連携のポイント
- ●定期的な通院・検査、低血糖時の対応、食事・栄養指導
- ●インスリン自己注射の適応について確認
副作用・治療の影響
●手術後の糖尿病発症、血糖コントロール不良による低血糖発作